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南極昭和基地の吹雪対策

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吹雪は、一寸先が見えなくなるホワイトアウトなどの視程障害や、雪が堆積して「吹きだまり」ができ車両が立ち往生する吹雪災害が発生します。

南極の東オングル島にある昭和基地でも最大で秒速50mにもなる風による吹雪で「吹きだまり」ができ、越冬隊員の方々の仕事の半分以上は建屋周りの除雪作業に強いられることになります。

そこで、建屋を高床式にして、床下に空間を設け吹雪を素通りさせて「吹きだまり」ができないようにする方法がありますが、今度は、吹雪が堆積した雪を削り取る「削剥(さくはく)」が発生して、床下の雪を持ち去ってしまい基礎部が露出して建屋が倒壊する危険性があります。

研究室では、吹雪を上手にコントロールして、「吹きだまり」も「削剥」も生じ難くするためにはどうしたらよいかを研究しています。吹雪をコントロールするためには、建屋形状、建屋と建屋の相互配置、地形等を考慮する必要があります。研究するための道具としては、風洞、水槽と数値解析ソフトがありますが、自然界における吹雪と建屋を小さな風洞内で再現しようとするには、相似性など数多くの課題があります。これらの問題を解決するには風洞の他に数値解析の手も借りなければなりません。

研究室では南極昭和基地の自然エネルギー棟や基本観測棟の形状について国立極地研究所の先生と共同で実験や数値解析を行っております。

機械工学科 山岸陽一

南極昭和基地基地中心部.JPG


            南極昭和基地中心部 (国立極地研究所撮影)

吹雪風洞実験風景.JPG

         卒研生による吹雪風洞実験風景

(独)防災科学技術研究所雪氷防災センター新庄雪氷環境実験所にて

基本観測棟周辺の吹雪風洞実験.JPG

         卒研生による基本観測棟(模型)周辺の吹雪風洞実験

  (独)防災科学技術研究所雪氷防災センター新庄雪氷環境実験所にて