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藤井裕矩教授の研究グループのロケット実験が成功

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JAXA観測ロケット実験 T-Rex が成功し、

宇宙導電テザー研究の新時代が開かれました。

 

831日早朝5時(日本標準時間)内之浦宇宙観測所から打ち上げられたS52025号機によって行われた宇宙導電テザーの宇宙実証を目指した実験 T-Rex (Tether-Rocket experiment)が成功しました。 (http://www.jaxa.jp/press/2010/08/20100831_s520_25_j.html ).

 

この実験T-Rexは機械工学科航空宇宙学専攻藤井裕矩教授を中心とした欧州、米国、豪州、そして日本による国際共同研究であり、JAXA宇宙科学研究所によって実施されたものです。観測ロケットS52025号機は首都大学東京、静岡大学、香川大学の協力のもとJAXAによって打ち上げられました。

 

世界初となる本実験の第一目標である約300mの導電テープテザーの高速伸展は成功裏に行われ、新しい”逆折り紙”展開法の高信頼性が実証されました( Inverse-Origami method NASA Science News, Huntsville AL (SPX) Jun 12, 2007). テザー伸展の様子はKuテレメータを介して地上に伝送され、上記ウェブでも写真を見ることができます。 高速伸展の地上実験は本学からも計測に参加し、首都大学東京の渡部武夫博士を中心に飛行機による微小重力環境試験を含む11種類が行われ今回の宇宙実験によってめでたく1ダース、12種類の実験が完了しました。他にも数々の世界初の成果が期待されています。

 

今回取得されたデータを用いて、詳細な解析が今後実施される予定ですが、導電テザーには宇宙デブリの除去、燃料を消費しない効率的な推進など非常に多くの有用な応用への道が開かれています。本実験の成功はNASAを含めた国際共同による今後のさらなる宇宙開発への寄与が大いに期待されます。

 

最後に本実験に関してご協力いただいた関係各位に感謝いたします。

 


関連映像(テザー技術)MOV03763.MPG