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風洞実験:11年、はじめてのプロジェクト(3)

航空宇宙コース

いよいよ風洞実験です。

試験にはモデルロケット実物ではなく、寸法を変えるなどのレイノルズ数調整を行ったアルミ製のロケットで行いました。
本校には「KAIT工房」という工作機械がいろいろある場所があり、そこでボール盤や帯鋸、アーク溶接などを用いて作製しました。

Type-STANDARD・Type-円柱・Type-SPIRAL・Type-DORAの順に、弾頭を風洞試験装置にセットし試験を行いました。
今回の実験は、風速10m/s 20m/s 30m/s 41.5m/s で行っています。

一見、実験用ロケットが台(天秤と支柱です)の上に乗っているだけのように見えますが、実験では写真の左から右へ毎秒50メートル近い超突風が吹き荒れます。
だから、ロケットが折れたり、台から飛んでいったりしないようにしっかり固定し、かつ支柱と固定する金具による抵抗をできるだけ抑えるような固定金具が必要-。

ということで、ロケットの固定金具を作るために予想外の時間がかかりました。
設計段階で、このやり方で固定出来るかどうか微妙、という案もありましたし、理論的にはこれで大丈夫だけれど、時間や技術的な問題で実現不可能なこともありました。

いろいろな先生と何度も相談を重ね、試作品を作ること5回!
ようやく風洞実験に耐えうる装置を作ることができました。

いざ実験!となったときにも、スケジュールの問題で事前に天秤と取り付ける場所のバカ穴の現物あわせができなかったため、実際に2つのネジが止まらず。
急遽KAIT工房で穴を拡大する作業などを行ったため、実験開始時間が大幅に遅れるアクシデントも・・・

プロジェクトは時間管理がホント、重要なんです!(そしてトラブルをリカバーすることも?!)

実験自体は成功し、様々なデータを取ることができました。